新しい場所。お馴染みの雰囲気。伝説のバーが戻ってきた。

昨年、私たちは二重の衝撃を受けた。

満員のダンスフロアでお酒を酌み交わしたり、汗をかきながらも日々の屈託を棚に上げて忘れさせてくれたマックバーの建物が、昨年、その記念すべき40周年を前に取り壊しが決まり、さらにその数ヶ月後には、マックバーそのものだったマックさんがこの世を去った。
マックバーの常連客が彼を惜しんで彷徨い歩いた数ヶ月後、かつてバーにあった巨大なCDキャビネットの写真が、フェイスブックに次々と上がってきた。そのどれもが、木で覆われた見慣れた壁の写真だった。
そう。
共同経営者であるユリとBOKUは、新たな場所を見つけ、7月31日、静かにバーを開けていたのだった。



新たにオープンしたマックバーの3回目の化身は、1977年に金座街のオリジナルバーがオープンした場所に近い立地で、立町にある老朽化したなんとも親しみのあるボラボラビルの3階にある。
バーに入ると、ユリとBOKUがまだ箱から物を引っ張り出している最中で、私にはその光景が以前の面影にどこか似ていて、心打たれた



壁は、以前と同じ木で覆われており、音響システムは、入ってくる機器を入れる段ボール箱を備えたラックが壁の後ろに設置されている。
良い感じのステンレス製のカウンターテーブルの後ろには、コンサートホールでも使用される巨大なCDキャビネットもある。
明らかに、保管されているCDの在庫の約半分しか入りきっていない。

ボクは、既に圧倒的な数を誇る音楽コレクションを扱う為に、巨大なハードディスクにうつす準備をしていると語るが、彼はトラックを棚から引き抜くのではなく、マウスを使ってトラックを選ぶことに複雑な感情があることに間違いはない。
CDの下には、擦り切れたビニールレコードが横に並んでおり、この静かなひとときに、レコードプレーヤーの上でパスパスと昔のラジオを聴いているような懐かしい音を楽しんだ。

新しくオープンしたバーは、以前のスペースよりも広々としている様に見えるが、ユリが言うには坪数では、実際に少し小さくなっているんだとか。それに加えて、銭湯から来た様な施錠付きのロッカーや、あと想像できるのは、壁沿いに設置されているソフトな明るめの赤のベンチは、週末遅くまで騒ぎ尽くした人々の寝床になりそうなことだ。




すでに訪れた人々の中には、ゆくゆくはこの壁面全部を埋め尽くすマーカーペンで、まだ真新しい壁に最初のメッセージをすでに残している。
マックーバーが2度目にオープンした時、少し変わった場所にあることに違和感があったことを思い出した。
もしや以前の怪しげなバーが復活するのか?と少し不安だったことも杞憂に終わりそうなほど、本当に綺麗だった。心配する必要は何もなかった。
マックバーは、ここを運営する人と、世界中からこの場所をこよなく愛する人々の心でできている。
新たな空間を楽しむユリとBOKUに再会し、この先どのようになっていくのかを想像することができたのは本当によかった。
きっと、マックさんもどこかで笑っていると思う。


インフォメーション

  • 住所
  • 広島県 広島市中区 立町 3-4
  • 著者
  • GetHiroshima